エッシャーの絵の探究

四角いゴム印(モチーフ)とデザインのアイディア(シグネチャ)でどんなパターンができるでしょうか.複雑なモチーフとデザインのアイディアを使って,エッシャーは数学アートの中でも代表的なもののいくつかを作りました.ご自分でも,簡単なパターンを作ってみませんか.

まず,モチーフを選んでください.「ハッピーフェース」のモチーフがエッシャーのパターンにシグネチャが与える影響を最もよく表すので,最初はこのモチーフを選ばれるといいでしょう.

説明

モチーフタイル
ハッピーフェース パターン1 パターン2 パターン3

次にシグネチャを選んでください.シグネチャというのは選んだモチーフに適用する一連の回転のことです.エッシャーは四角いタイルにモチーフを彫り,大きな四角いブロックにこのモチーフが4つ入るように印刷しました.各モチーフはもとのモチーフから2 x 2行列に従って回転されていました.エッシャーの表記法を使うと1は動きなし,2は90度,3は180度,4は270度回転ということになります.エッシャーのパターンでは,すべての回転が時計回りとは逆になっています.

シグネチャ

例えば,2 x 2行列のシグネチャ{{1, 2}, {2, 4}}を使うと,もとのモチーフは行列の左上では変化しません.しかし,右上と左下では90度,右下では270度回転することになります.この2 x 2のアーキタイプが垂直,水平の両方向に数回繰り返されることで,完全なエッシャーのパターンができあがるのです.

では,「ビジュアル化」のボタンをクリックして,選択したモチーフとシグネチャを使ってもとのタイルを変化させたブロックを見てみましょう.

ビジュアル化


ここに詳述した以外にも,たくさんのバリエーションが可能です.



説明

エッシャーがインクと木版でしたように,タイルを使って平面に繰返しのパターンを作ってみましょう.上記の規則を使って変化に富んだいろいろなパターンを作ることができます.異なるパターンはいくつあるでしょうか.シグネチャを変えても,基本的には同じパターンが生まれます.例えば,
Created by webMathematica

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では合同のパターンになります.

{{1, 2}, {2, 1}}と{{1, 4}, {4, 1}}を交代で入力して,この2つのシグネチャを使った結果を比べてください.同一パターンを回転したバージョンが生まれます.エッシャーは回転を唯一の変化として採用した際の,本当に異なるパターンだけを数えることができました.貴方が見付けられたパターンはいくつですか.


この内容はStan WagonによるThe Mathematical Explorer に基づいています.

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